風のテラスがすき

てきとーにいきてみたいな。のんびりと。でも、そうもいかないか。

雪のテントで古代オリエント学会

雪の降りしきる街の大きなお家!

 

テントは薪ストーブが焚かれている。

 

薪割りは友がやっておいてくれた。

 

毎週末のテント生活が楽しくなって来た。

テントの中で料理したいけど、テント洗うのが大変だから、母屋で料理してテントに運ぶ。

 

何してんだかね。

 

今日は友と二人で語り合う予定だった。

 

Wi-Fiルーターを庭側に追加してくれたから、テントの中も電波は良好。

 

「ねえ、大変な仕事してるのね」

「まあね。やったことないのだけどね。先輩たちに手伝ってもらってなんとかね」

「あんたの強みはさ、なんか知らないけど人が来るよね」

「ん?人が来る?」

「芸祭で知り合って、今まで付き合って来たけどいつもあなたの周りに人が来た」

「そうかな?体育会の絆かな?」

「それだけではないでしょ。男も女も集まってくる。不思議な子」

「そう言われたの初めてかも」

「私は孤独と戦いながら絵を描いていた。デザインも孤独との戦いなんだよ。一人でないとダメなんだ。あなたが毎週来てくれるから、金曜日までに仕事仕上げなきゃと思うでしょ。必死に仕事して、となり、近所の爺婆と仲良くして、地域の付き合いやってなんて都会ではできないからな。今が楽しいのだよ」

 

そんな話をしていると電話が来た。

 

「はーい」

「どこにいるのですか?」

「なんかありましたか?」

「今起きたのですけどね」

「よく寝てましたね」

「通訳すると脳みそがものすごく疲れるので爆睡できます」

「で、なに?」

「あの、お部屋なんですが来週出ます」

「どこに引っ越すの?」

大井町に部屋借りました」

「わかったよ」

「あの、それで晩御飯食べたいなと」

「今、群馬なんだよ」

「今週もですか?」

「だって、別荘だもん」

 

と言ってしばらくして、居候は新幹線に乗りレンタカーでやって来た。

 

「ちょー楽しそう。淑子さんに楽しいよとは聞いていたのです」

 

群馬の芸術家とは初対面だがすぐに打ち解けた。

 

母家にある絵を見て、一枚の絵の前に長い時間前に座り見ていた。

 

すると

 

「あの、この絵は売っていただけるのですか?」

 

「売ってもいいよ。高いけど」

 

「この大きな家は、どこにあるのですか?」

 

「架空の家だよ。というかこれから作りたい家なんだ」

 

「この家に住みたいです。大きな木のあるお家。トトロの世界ですね」 

 

居候の目はいつしか少女の目に変わっていた。

 

テントに入り居候の話が盛り上がった。

 

バビロニアという国はどこにあったのか?バビロニアの門に菊の御紋が描かれているのです。不思議ですよね。

 

三笠宮殿下は古代オリエント学会を創設されて、バビロニアの研究をしてきたのは、天皇家の起源がバビロニアだと考えたのではないでしょうか?」

 

「ベルリンのペルガモン博物館にあるイシュタール門のこと」

 

「そうです。菊の花びらの枚数が12枚です。天皇家の菊の御紋は、12枚が正式な枚数です」

 

「あんたよく知ってるね」

 

「古代の解明されていないこと大好きなんです。だから、中東のエアラインに就職して、暇を見つけては、旅して来たのです」

 

「どこに行きましたか?」

 

ラクダのキャラバンを仕立て、砂漠を旅するのです」

 

「料理はどうするの?あんた料理できた?」

 

「ガイドしてくれるアラブ人が作ってくれます。お金のかかる旅なのでスポンサーは、同僚の彼でしたけどね。私はパラサイトです」

 

「おまえ、パラサイト得意だな」

 

「はい、よく言われます」

 

この楽天的な性格が人気なんだよね。

 

弁護士事務所での仕事もテキパキとこなしているらしく、パラリーガールとしては優秀らしい。

 

「で、4月から法学部に学士入学することになりました」

 

なかなかやるね。

 

雪の降りしきる寒空の中、☃️テントを

叩きながら、テントの中では、

古代オリエント学会が花咲くのだよ。

 

この子は考古学やったほうがいいと思うのだけど。

 

好奇心旺盛