風のテラスがすき

てきとーにいきてみたいな。のんびりと。でも、そうもいかないか。

「こらー!なにやってるの‼️」と社長を怒鳴りつけた日

とある会社からメールが来た。

 

「相談したいことがあるから来てほしい」とね。

そこで、行きました。

 

行った先の会社を見て、何が起きたの?と驚くのでした。

 

受付の女性は変わらず。

中に通されると1秒で会社の状況がわかります。

 

整理整頓できてません。

 

「やばい」と心の声に叫びます。

 

元CAはさすがです。

 

言葉にしなくても、わかっている。

 

「急なお願いで申し訳ない。コロナ禍で、商売がやばいことになり、B to Bから、B to Cに変えたい。そこで、商品を売るサイトを急ぎ作れないか?」

 

「決済システム導入して、販売するのですね」

 

「そうだ」

 

18ヶ月前までいた優秀な社員たちはどこに行ったの?

 

「あ、出来るやつはやめていった。残っているのは、営業は弱いな」

 

笑い事ではない。

ついこの間まで、銀座で週3回は、お姉ちゃんと同伴して飲みにいっていた社長は変わり果てていた。

 

「何からやればいい?」

 

「webサイトを作るのは、簡単ですよ。ただし、競合他社を負かすには、それなりに努力をしないとできません。商品の問い合わせは、どこで受けますか?」

 

「うちの会社で受けるよ。電話ぐらいさせるさ」

 

と、、呑気なことを言っている社長に元CAは鋭く反応する。

 

オフィスでの電話を聞いていて、マナーがなっていない。

 

普段は表情変えない彼女の目が笑っていない。戦闘モードだ。

 

「恐れ入りますが、社員の皆様はお客様とお電話してるのですか?」

 

「そうだよ。フレンドリーでいいだろ」

 

「失礼ながら、この状況では会社はかなり危ないと思います。お客様にお電話をする態度が失礼です。人間の態度は、言葉に現れます。椅子にのけぞって話すなど、言語道断です」

 

あ❗️よく言った。と心の中で拍手した。

 

「電話の対応マナーから変えないと無理です。というか、染み付いた話癖は、一朝一夕では、なおりません」

 

「どうしたらいい⁉️」

 

「お客様との電話応答は、プロのコールセンターにお任せした方がいいと思います」

 

賛成‼️

 

いやー、餅は餅屋だな。

よくわかっている。

 

さて、私の出番かな?

 

「社長、駐車場のベントレーは、社長の私有車ですか?」

 

「いや、会社の車だ」

 

「それでは、売却してください」

「え?売却するの?」

 

「それから、時計のコレクションで一番好きなのはどれですか?」

 

「時計な。これかな?」

 

「バセロンですね。他見せていただけますか?」

 

「あ、いいよ」

 

出てくるよ。全部で50個の高級時計があった。

 

「社長にお願いがあります。やめた社員にメールしたいのですが、よろしいですか?」

 

「いいけど、何するの?」

 

と言われても、手が止まらないのだ。

 

社長の時計を元社員の皆様と現役社員の皆様でオークションします。献金のみの決済になります。全て一円から始めます。皆様に満足なボーナスをお支払いできなかったことをお詫びいたします。再来週の日曜日、本社会議室におきまして、楽しく皆様のお声をお聞きしたいと思います。目玉商品は、パティックフィリップの限定です。もしかすると、2万円で落とせるかもしれません。落札された時計をヤフオクなどで売却するのは自由です。参加ご希望の人は、このメールに返信してください。

 

「え⁉️何書いてるの」

 

「これで有能な社員を取り戻すのですよ」

 

「いや、あのさ。この時計たちはさ、俺の最高の証として、、、、、」

 

「社長、会社を再起させたいのですか?倒産させるのですか?」

 

「再起、、、させたいけど、、、、、でも、、、」

 

「ボーナスを払わないから、住宅ローン払えなくて退職金で払った社員がいませんでしたか?あなたが、呑気に銀座で、福岡の中洲で飲んでいる時も社員は必死に仕事していたのではないですか?」

 

「してたと思う」

 

 

「してましたよね」

 

「わかった。何人来るかな?」

 

ショートメールと通常のメールにて送ってみた。

 

 

1時間もしないうちに

メールの返信が来る。

 

どかどかとね。

 

電話がかかってきた。

 

 

「あの、社長の時計オークションやるのほんとですか?」

 

電話を取った女子社員に変わり私が応える。

 

「ほんとですよ。皆様、メールで参加表明してくださいね」

 

と言ってきった。

 

有能な社員を取り返すチャンスなのだ。

 

「社長、時計は一個あればいいのですよ。車はプリウスの新車が来ますから」

 

社長の顔は完璧にショックで下を向いてる。

 

さて、楽しくなってきた。