風のテラスがすき

てきとーにいきてみたいな。のんびりと。でも、そうもいかないか。

盛り上がる社内オークション会場

みんな集まってきたよ。

 

普通に買うと100万円近い時計、400万円近い時計を買えるのは、よほどの時計好きかアホだけ。

 

私が愛用しているスウォッチは、安いけど正確に時を刻むでしょ。

 

古物商免許を持っている私がオークションを仕切るハンマーを持って会議室の最前列に立ちます。

 

まずは、社長から挨拶です。

「本日はお休みのところ社員、退社された社員の皆様にも参加いただき、少ない金額でしかお支払いできなかったボーナスの代わりではないのですが、私の時計コレクションをお譲りします。落札代金は、皆様とともにお食事かできるように料理屋さんにコロナ対策をしていただき、貸切といたしました。不足金が発生した場合は、私が個人でお支払いいたします。なお、会食は着席形式で行いまず。仕切りがありますが、皆様のお顔を拝見しながら、短い時間ではありますが懇親を深めたいとおもいます。みなさまは、この私に言いたいことは、山のようにあることは十分にわかっております。皆様と時間の許す限りお話しできたらと思います」

 

よく全部出すことを決意した。

 

何もしなければ倒産だからね。

 

オークションの前に内覧会をやった。

「え、この時計は社長のお気に入りだよね」

「かっこいいわ。、この時計」

カルティエよりローレックスかな?」

「お前いくら持ってきた?」

「有り金全部持ってきた」

「女性用の時計ないから、メルカリで売り払って好きなの買うよ」

「男物のデカイ時計もいいよ」

 

と、かなり興奮気味!

「それでは、ルールの説明をします。

オークショニアのハンマーで価格は決まります。

 

売上全額懇親会費になります。懇親会費が余りますと次回の懇親会日に回ります。

 

では、最初の時計‼️

カルティエのサントス!

 

1円から」

 

みんな入札しないのよ。

女子が「3万円」といれて、ハンマープライス❗️

 

次はタンクの予定だけど、順番変えてみるかな!

 

盛り上げないとな。

 

バティックフィリップ ヨット

ほぼ未使用です。

 

「さあ、1円から」

 

この時計は人気で盛り上がる。19万円で止まる。

 

「いいですか?あといませんね。ハンマープライス

 

落札したのはまたもや女の子。

 

この時計は、かなり高いよ。

 

と、それなりに盛り上がり、みんな一つは落札してご満悦。

 

そして、懇親会で社長の行脚が始まる。

 

やめた社員たちの中から戻せないものかと話をする。

 

みんな言いたいことは山ほどあるのだ。

 

酒の勢いで、社長は元部下から怒られてる。

 

「何が時計ですか?え?ベントレー⁉️売った。いまさら、という感じですよ」

 

「みんなきつい時に、銀座で飲んでいただけでしょ」

 

「あの、この際、倒産した方がいいのではないですか?」

 

とかなりきつい。

 

そんなか、一人の社員がこう言った。

 

「潰すのは簡単だ。再びおこすのは、不可能だ。潰していいのなら、退職金いくら出せるか計算するといい。コロナがワクチン接種が終わり一段落したら、どうなるかな?元には戻らないと思うけど、新たな商機が訪れるかもな」

 

「希望的観測だな」

 

「この際、有り金で細々と息を潜めて、次の事業を考えておくべきではないのか」

 

「今いくらあるの?会社の金」

 

「残り4億円ぐらいかな」

 

「それって、あとどれだけもつかな」

 

「一年半かな?」

 

それしかないのか?

 

「いや、4億あるのだろ」

 

「お前なら何やる?」

 

いつのまにかアホ社長のことより、みんな新規事業のことを話し出した。

 

休みの日のお昼に集まり、時間はあるな。

 

「おい、酒飲むのやめて会議室で話すか?」

 

「やめたお前が何をいう」

 

「悪いけど、アホ社長についていけなくてやめた。だけど、大好きな時計みんなに安く譲り、車売り、飯食わせてもらって、新規事業の提案ぐらい出そうや」

 

「制限時間あるけどな」

 

阿保社長は泣きながら頭下げてる。

 

みんな料理を食べ終わり、帰るものは帰る。会社に戻りホワイトポードで格闘する人もいる。

 

そもそも何がダメでこうなったのか?

経理担当と総務の担当も残った。

 

見渡すと仕事いい加減や社員や元社員はいない。

 

いろんな提案が出てしばらく暗黙があり、

 

「社長‼️この会社一度潰しましょうか⁉️みわな食わせるパワーないですよ。退職金払い、解散しましょう。そして、新しい会社作りましょう」

 

何いかが走り出し、生まれ始めている瞬間だった。