後輩から電話あり。
「相談があります」というから
話を聞くことにした。
「あの、取引先のA社からうちに来ないかと言われたのです。給与含めていい条件なんですけど、どうしたらいいでしょうか?」
「自分のことは自分で決めること。誘い水という言葉を広辞苑でよく読んで、考えてから決断しなさい。引き留めはしないから」
この最後の言葉に、後輩はショック。受けただろうな。
本当は「いくな」と言われたかったに違いない。
夜になるとまた電話が来る。
「すいません。例の話なんですけど、会ってお話ししたいのですが、お時間いただけませんか?」
「いいよ」
と言って、銀座の小料理なら向かう。
話を聞くと、どうも引き抜きの言葉を掛けられた事が嬉しかったんだよね。
ちなみに、引き抜きに来た会社は、確かに業界ではぶいぶい言わせてる凄腕が経営する会社!
引き抜かれようとしている後輩は、イケメン、スタイル抜群、体育会での実績もあり優秀!
「会社に入って、働いて給与をもらい、ボーナスをもらう。労働の対価は賃金というマルクスの考えは崩壊している。修正資本主義の労働の対価はストレスで、それをいかに金をかけずに消費するかが大事になる。働いて賃金をもらうという社畜的な考えではなくて、働きながら会社から何を学べるかが問題なんだよ。私は、引き抜きにあっても行かないよ。次は、起業しかないと考えてる」
「え?起業するのですか?おれ、ついていきます」
「あほ!金魚の糞になるな!頭取れる男になれ!
こやつは、いったら使うだけ使われて捨てられる。
その姿が見えてくる。
「いくなら、明日辞表を持ってきて!いま、行っても無駄だとおまうけどね」
そして、このガキは朝イチでやってきた。
「あの、寝ないで考えてやめることにしました」
「ウチを辞めるのか?」
「いえ、残ります」
「あのね!君の言葉、いつも主語が足りないのよ」
このこの問題は、会話にある。
「おい、わかってるよね。今日からぶったるんでる根性鍛え直すから」
「はい、お願いします」
返事だけはいいんだよね。
さて、これから一揉みするかな(笑)