風のテラスがすき

てきとーにいきてみたいな。のんびりと。でも、そうもいかないか。

2020年師走の大騒動 新型コロナに感染した友を救え

とある日の早朝に電話が入った。

 

「もしもし」

 

「早くにごめんね。死にそうなの」

 

「何?死にそう?どうしたの?」

 

「だるくて寝てたんだけど、熱が39度あって、もしかしてと思って」

 

「もしかして?病院に電話した?」

 

「それがどこも電話がつながらないのよ」

 

「マジで、やばいじゃん。とりあえず、歩けるの?」

 

「歩けるよ。でも、フラフラだけど」

 

「え?どうしたらいいかな?」

 

「それがわからない」

 

「よし、こうなったら119番に電話しなさい」

 

「え?ガチで119?」

 

「当たり前でしょ」

 

それから考えた。行ってやろうか?

でも、私が感染して二次被害になる可能性が高い。

 

放置すると友が死ぬかもしれない。

 

どうしたらいい。

 

そこで、新型コロナにかかった場合の想定で

保健所に電話した。

 

つながらない。

こんなにやばい状況なの?

 

大学時代の友たちに電話をかける。

医師たちも電話にでない。

 

電話が鳴った。

「どうした?久しぶりじゃん」

「あのね。ガチでやばいから」

「何が?」

「39度の熱に倦怠感があるとP子から電話があって」

「え?Pちゃんがコロナ?」

「どこも電話がつながらないと」

「やばいな。うーん。俺から連絡する」

 

この医師の手配でなんとか検査を受けて

隔離されたP子。

 

いつもピーピーうるさいからP子という。

そのP子がおとなしいから、やばい。

 

そのP子から電話がきた。

マンションは消毒するらしい。

 

「ホテルに行く。看護師さんがいるからと」

「あのな。家にある風邪薬は何がある?」
パブロンだよ。未開封の大きいやつがある」
「とりあえず、飲んで」

「効くわけないでしょ」

「あのね。総合感冒薬だろ。総合だよ。とにかく飲もうや」

「3粒飲んでみる」

「悪い菌を殺す。きっとパブロンが効く」

 

パブロンがコロナに効くとは思えないけど、そう言うしかなかった。

そして、友人の医師の尽力もあり治療を受けられた。

 

でも、今はホテルで隔離。

隔離されているということは、症状はまだ軽いのだろうか?

 

数日後に電話がきた。

「熱が下がった。パブロンのおかげかな?」

「きっとそうだよ。ご飯食べてるの?」

「うん、食べてるよ。パソコン持ってきたのだけど、このパソコンも消毒かな」

「看護師さんに聞いて。どうなってるのよ」

「治療らしい治療はないのだよね。看護師さんがきて、『お加減いかがですか?』と聞かれるけど、大丈夫じゃないからここにいるのだろ?特効薬があるわけでもないからな」

 

なんだか声がいつものP子に戻ってきた。

年内は隔離されるみたいだ。

 

医療の現場はパニックなんだろうな?

 

「はっきりいって、パブロンで熱が下がったのかな」

「きっとそうだよ」

と適当なことを言って、励ますしか方法がない私が情けなくなった。

 

隔離されているホテルにお弁当の差し入れをしようと思ったができなかった。

がんばれP子。

 

全国の医療機関の皆様

本当にありがとうごうございます。